贈与税の申告書の開示制度
【ご質問】
贈与関係の記録がありません。確認の方法はありますか?
【ご回答】
税務署に確認することができます
相続税の申告書を作成する場合、相続により財産を取得した人については「相続開始前3年以内の贈与財産」と「相続時精算課税適用分の贈与財産」を加算しなければなりません。
しかし、過去の贈与税の申告書の保管がなかったり、相続時精算課税方式を適用したかどうかについて記憶が曖昧な方もいらっしゃいます。
このような場合には、「相続税法第49条第1項の規定に基づく開示請求」の制度がありますので、これを利用して過去の贈与税の申告状況を確認することができます。
この開示請求は、相続人のうち開示請求者を決めて所轄税務署に請求書を提出することにより行います。その際、一定の書類の添付が必要です。
ただし、相続開始前3年以内の暦年贈与は基礎控除(110万円)以下でも相続財産に加算されるのですが、110万円以下の贈与については申告されていない為、「贈与税の申告書の開示制度」でも開示されません。基礎控除(110万円)以下の贈与については記録しておきましょう。
そのため、あえて110万円を超える贈与をされる方もいらっしゃいます。興味がある方は、お気軽のご相談ください。
【贈与税の申告書の開示請求手続き】
概要 | 相続税の申告や更正の請求をしようとする人が、他の相続人等がお亡くなりになった方から「相続開始前3年以内の贈与」や「相続時精算課税適用分の贈与」の贈与税の課税価格の合計額の開示を請求する場合の手続きです。 |
手続対象者 | 相続税の申告や更正の請求をしようとする者 |
請求時期 | 被相続人が死亡した年の3月16日以後に請求 |
請求方法 | 「相続税法第49条第1項の規定に基づく開示請求書」に一定の書類を添付し請求 |
添付書類 | 全部分割の場合…遺産分割協議書の写し 遺言書がある場合…開示請求者及び開示対象者に係る戸籍謄本 |
手数料 | 不要 |