介護をした子と介護をしない子の遺産分割
【ご質問】
私一人が親の面倒をみており、他の兄弟は何もしてくれません。
それでも相続財産は同じ金額なのでしょうか?
【ご回答】
介護をされた方は寄与分が認められる場合もありますが、一般的な介護だけでは寄与分は認められません。遺言書を作成することが円満な相続につながります。
親の介護を相続人の一部の子が行っている場合、遺産分割協議において介護した子は寄与分を主張し、介護をしなかった子は法定相続分通りの分割を主張するケースがあります。その結果、遺産分割協議が紛糾することがあります。
しかし、「親を介護した」という理由だけで寄与分は認められない場合が多く、介護をした子は報われないことになります。このような懸念がある場合には遺言を活用することが大切です。
♦ 寄与分が認められるケース
・親の事業を無給で手伝っていた場合
・親の事業を発展させるために貢献し、財産を築いた場合
・親のために何らかの資金援助をしていた場合
介護は扶養義務であることから、介護をしていたという理由だけでは寄与分は認められない場合が多いです。
- ♦ 特別寄与料が請求できる場合
民法改正により、令和元年7月1日より以下の要件をすべて満たす場合、特別寄与料を請求することができます。
1.被相続人の相続人以外の親族であること(親族とは、6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族をいう)
2.被相続人に対して無償で療養看護その他の労務提供し、その結果、財産の維持又は増加させた。
3.特別な寄与であること(通常期待されるような程度を超える貢献が必要)
円滑な相続となるためには遺産分割がスムーズに行えるようにしておくことが大切です。
特に、介護が特定の人に集中してしまう場合には、感謝のお気持ちを形にするためにも「遺言書」を作成することをお勧めします。
「遺言書」の作成について興味がおありになる方は、お気軽にご相談下さい。